第2回カンボジア通信

このテキストは、6代工藤先輩が「カンボジア通信」として、
月1回発刊しているものをいただいて許可を得て転載しております。

今回は2003年7月号の転載です。
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「カンボジア通信 July 1、2003」

1.日常生活?体感温度
日本は梅雨明けまえから真夏日が続いているようで、体調管理に苦労されている方も多いかと思います。本格的な夏の到来へ向けてご自愛下さい。
こちらも、朝起きて温度計をみると32度位ですが、扇風機の風でなんとか凌いでおります。日中、外の直射日光の中では35度以上はありそうで、さすがにすぐ汗が噴出しますが、家ではクーラーはなるべく使わないようにしております。我慢できない時でも室温が30度になればクーラーは切ることにしております。
一年で一番暑いといわれる4月~5月を無事乗りきり、こちらの暑さにも少しは身体が慣れてきたようです。体感温度からいうと、今の日本の方が熱く感じそうな気がします。

2.合気道-昇級試験
6月は指導している三ヶ所の道場でそれぞれ昇級試験を行いました。
受験者は5級28名、4級24名でしたが、2~3年前から稽古を始め既に4級を取得済みのフランス人、トルコ人2名の3級審査もあわせて実施しました。
特に、アーク・プレック・アンチャン道場の高校生25名が初めての5級審査に取り組んでくれました。若いこともあって覚えも早く、期待通りの動きをしてくれ、安心しました。
かえって、3級を受験した2名の外国人の方が、技はしっかりしているのですが、さばき、抑えなどに最初に教わった先生の癖が染み付いているようで、悪い癖を直すのに苦労しております。 
これで5級34名、4級24名、3級2名となり、カンボジア合気道クラブも少し形が出来て参りました。引き続き、初心者を含め全体のレベルアップを追求していきます。

7月3日に東京のJICA本部の代表がカンビジアを訪れ、アーク・プレック・アンチャン道場の視察も行うそうです。生徒たちが元気に稽古に励む姿をお見せできるものと楽しみにしております。
先日、住友商事プノムペン事務所の大塚雅康氏(大阪大学合気道部OB)が久しぶりに稽古に見えて、バクセイ・チャムクロム・クラブの生徒を鍛えてくれました。
彼の話では、今年はカンボジアがフランスから独立して50周年になると同時に日本とカンボジアの外交関係が樹立された50周年にもあたるそうです。また、アセアン・日本交流年ということもあり、この秋に向けて、日本人会も諸々の行事を準備中です。
合気道も参加しませんかとのお誘いがありましたが、まだ単独での演武会開催は現状では難しそうで、どうするか考慮中です。

3.政治情勢?総選挙の年は殺人事件が増加
6月26日より5年ごとの総選挙の選挙キャンペーンがスタートしました。
7月27日が投票日ですが、ドナー各国にとっても大きな関心事です。アジア地域フォーラムに出席したパウエル国務長官もフン・セン首相との会談では、自由かつ公正な選挙の実施と各23政党への公平なメデイアへのアクセス(国内メデイアの90%は与党CPPにより牛耳られている為)を強く要望したようです。
総選挙の実施には、1,250万ドルのお金が掛りますが、その内国家予算で計上できる金額は500万ドルに過ぎません。アメリカ、フランス、ベルギー、オーストラリア、日本などのドナー国が不足分を提供しますが、公平な選挙が実施できれば、今後の援助額を増やすとする国も少なくないようです。

1993年、1998年の総選挙の際は、各政党の候補者、活動家の暗殺事件が多発しました。今年も既にCPPで10名、野党のフンセンペックで5名、サム・レインジーで4名が暗殺された他、襲撃を受けた者も11名を数えます。
容疑者として14名が逮捕されていますが、内務省の報告ではこれらの事件は個人間の争い、家庭内暴力、強盗によるもので、政治的背景はないとしております。
しかし、暗殺された中にCPPの役員やフンセンペック総裁ラナリッド王子のシニアアドバイザーが含まれており、事実はどうなのでしょうか。
政府筋は、アメリカ国務省や各国の人権団体の非難に対して、1993年、1998年の総選挙時に比べて発生件数はかなり減少、治安は大幅に改善していると反論しております。

6月16日からアジア外相会議、アジア地域フォーラムと世界の注目を集めた会議がプノムペンで開催されたこともあり、セキュリテイーの強化が図られました。この為、コンポン・チャム州でサム・レインジー・パーテイのカンセラーがバイクで不審な交通事故死をした以外は新たな暗殺事件は報道されておりませんが、選挙キャンペーンの終わる7月25日まで目が離せません。日本の選挙では、現ナマが使われるだけでしょうが、こちらでは現金と銃のまさに実弾が飛び交うすさまじい選挙で、我々日本人の思考を超えているようです。
こちらで暮らしていると、日本人の感覚では想像もつかないようなことを見聞できますので、折にふれ紹介してまいります。