第12回カンボジア通信
このテキストは、6代工藤先輩が「カンボジア通信」として、
月1回発刊しているものをいただいて許可を得て転載しております。
今回は2004年7月号の転載です。
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「カンボジア通信 July 10, 2004」
1. 一時帰国
6月30日に、日本での一時帰国よりプノンペンに戻りました。これまで通りの生徒たちとの稽古が翌日からまた始まりました。
日本ではこちらよりは凌ぎやすい気候を期待しておりましたが、湿気が少ない分少しは楽とはいえ、連日の真夏日でプノンペンとそれほど変わらない毎日でした。
暑い中、本部道場での東北大学OB会稽古、日本橋道場での稽古を始めとして、第一製薬合気道部の合宿でも多くの道友と稽古することでリフレッシュすることが出来ました。奥村先生、米持先生、小林先生、桜井先生お世話になりました。また、一ヶ月の滞在期間中に多くの皆様から新道場建設のための浄財をお寄せいただき、誠に有難うございました。
お蔭様をもちまして、Ark Toul Krasang Aikido Dojo (仮称)の建設を具体化することが出来ます。早速、建設着工へ向けて準備を進めております。年末までにはなんとか完成させ、その姿を皆様に報告したいと思います。楽しみに、お待ち下さい。日本は連日30度を越す猛暑が続いているようですが、皆様、体調管理に充分注意してお元気にお過ごし下さい。
2. カンボジア・トピックス ・プノンペンにおける犯罪発生件数は減少
プノンペン区役所の報告によりますと、今年上半期の犯罪発生件数は大幅に減少しました。今年6月末までの凶悪犯罪件数は260件で、昨年同期比の485件からかなり減りました。
内訳:
殺 人 : 14件 ( 34件)
武装強盗 : 234件 (269件)
( ):昨年同期
殺人などの凶悪犯罪は減りましたが、一方で、レープ、人身売買や子供への性犯罪が増加し、よりその中身が複雑化しつつあるのが最近の特徴です。
軽犯罪に関しても、昨年の181件から167件に減少しており、2003年に急増した犯罪に対して、首都の治安回復をめざして警察官のパトロールを強化した効果が出ているようです。
・人身売買
コンポムチャム州に住む30歳の母親が5歳と7歳の娘を売り渡した罪で15年の禁固刑の判決を受けました。一人は無事、父親の許に戻る事が出来ましたが、もう一人は買主の許に留まったままのようです。この母親は4歳の他人の娘の人身売買にも関与しているとの嫌疑も掛けられております。
・落雷事故
雨期に入って、落雷による死亡事故が増えつつあるようです。温度の上昇につれて雷鳴を伴う嵐が起こりやすくなります。ちなみに、5月の平均最高気温は39度と昨年より1.6度も高く、雷の暴れぶりもかなりのものでした。
こちらでは、河で漁をしたり、高い木に登って果物を採るなどの作業中に落雷に会い亡くなる人が多く、気象庁では雷雲が近づいたら木に登らないよう警告を出しています。
・象の暴走
ラッタナキリ州で観光用の象に乗る際に、写真を撮ろうとした韓国人旅行者が、カメラのフラッシュに驚いた象に踏みつけられ重傷を負うという事故がありました。ラッタナキリ州はカンボジア北部、ラオス国境に位置し、ハゲわし、孔雀、バファローなどの野生動物も見られることから観光客が増えつつあるところです。
カンボジア合気道クラブ 工藤 剛